特定技能「介護」とは?受け入れ側が知っておくべきポイントを解説
日本国内における介護分野の人手不足が深刻化する中、特定技能「介護」の在留資格を持つ外国人材の受け入れを検討する事業者が増えています。
しかし、特定技能「介護」を取得するためには一定の要件があり、受け入れ側にも注意すべきポイントがいくつかあります。
本記事では、特定技能「介護」の基本概要、外国人材に任せられる業務内容、取得要件、および雇用側が留意すべき事項について解説します。
特定技能「介護」とは?
特定技能とは、日本国内の人手不足を補うために設けられた在留資格制度です。特に介護分野における「特定技能」は、介護職に従事する外国人材に与えられる資格で、一定の試験をクリアすることで最長5年間の就労が認められます。
さらに、国家資格である「介護福祉士」を取得することで「在留資格」「介護」に移行でき、無期限での就労が可能になります。
雇用形態について
特定技能「介護」を取得した外国人材は、フルタイムの直接雇用が必須です。派遣労働やパート・アルバイトとしての雇用は認められておらず、労働条件も日本人従業員と同等以上であることが求められます。
受け入れ人数の上限
厚生労働省が介護分野における特定技能人材の受け入れ上限を定めており、2023年度末までの見込み数は約50,900人とされています。また、事業所単位での上限は、常勤介護職員の総数と同等数までです。
特定技能「介護」が対応できる業務・できない業務
対応可能な業務
特定技能「介護」を取得した外国人材は、主に以下の業務に従事できます。
- 利用者の入浴、排せつ、食事、衣服の着脱の補助
- 移動時の介助
- 機能訓練の補助
- レクリエーションの企画・実施
- 施設内の物品管理や日常業務
また、勤務可能な施設には以下が含まれます。
- 特別養護老人ホーム
- 障害者支援施設
- 病院・診療所
- 児童福祉施設 など
対応不可能な業務
一方、訪問系サービス(例:訪問介護)には従事できません。これは特定技能「介護」の資格では対象外とされているためです。
特定技能「介護」を取得するための要件
特定技能「介護」を取得するためには、以下2つの試験に合格する必要があります。
(1) 日本語能力試験
介護現場では利用者との円滑なコミュニケーションが求められるため、日本語能力が必須です。具体的には以下の試験に合格する必要があります:
- 日本語能力試験(N4レベル以上)
- 国際交流基金日本語基礎テスト
- 介護日本語評価試験
(2) 介護技能評価試験
介護技能評価試験は、介護業務に必要な技能が一定水準に達しているかを確認する試験です。試験は学科(40問)と実技(5問)で構成され、介護の基本技術が問われます。
なお、技能実習2号を修了した外国人材は、一部試験が免除される場合があります。
特定技能「介護」以外で介護に従事できる在留資格
介護分野で働ける在留資格は特定技能以外にも複数あります。
(1) 在留資格「技能実習」
- 目的:技能移転を通じた国際貢献
- 特徴:最長5年間の在留が可能。ただし、訪問介護には従事できません。
(2) 在留資格「特定活動(EPA:経済連携協定)」
- 対象国:インドネシア、フィリピン、ベトナム
- 特徴:4年以内に介護福祉士の国家試験に合格しない場合は帰国が必要です。
(3) 在留資格「介護」
- 条件:介護福祉士養成施設の卒業および国家試験の合格
- 特徴:訪問系サービスにも対応可能。ただし取得条件が厳しく、採用が難しい傾向にあります。
外国人材を受け入れるメリット・デメリット
メリット
- 新設の事業所でも外国人材を受け入れ可能
- 入国後すぐに就労開始ができる
- 夜勤業務への従事も認められている
- 登録支援機関を通じた採用でニーズに合った効率的なマッチングが可能
デメリット
- 外国人材が転職するリスクがある
- 特定技能「介護」の資格での就労期間は最長5年に限られる
ただし、受け入れ中に介護福祉士資格を取得し「在留資格」「介護」に移行すれば、無期限での雇用が可能です。
受け入れ時の注意点
特定技能「介護」を持つ外国人材を受け入れる際には、以下の義務があります。
- 出入国在留管理庁への届け出:契約内容や四半期ごとの定期報告が必要。
- 特定技能協議会への参加:受け入れ後4カ月以内に入会手続きを完了すること。
- 支援計画書の作成:外国人材の生活支援や就労サポートを具体的に記載し実施。
支援が難しい場合は、登録支援機関に外部委託することも可能です。
まとめ
登録支援機関である合同会社ベルコンサルティングでは、単に人材を紹介して終わりではなく、配属後も管理業務や定期訪問、生活支援に至るまで末長くサポートを提供しております。
特定技能「介護」を取得した外国人材は、訪問系サービスを除く介護業務全般に従事でき、事業所の人材不足解消に大きく貢献します。
受け入れには正社員としての直接雇用、必要書類の提出、支援計画書の作成が必要なため、事前の準備が欠かせません。また、支援業務は外部機関に委託することも可能です。スムーズな受け入れ実現のために専門機関のサポートを活用ください。
岐阜、愛知県で外国人受けれ検討中の施設様は、ぜひ一度合同会社ベルコンサルティングまでお気軽にご相談ください。